【3543】コメダホールディングス(東証プライム) OP
現在値 2,436円/100株 P/E 21.2 P/B 3.08 2月配当株主優待 8月配当株主優待
中京地区を地盤にコメダ珈琲店を全国展開。朝食サービスに特徴。約95％がFC。
配当基準日は2月・8月の年2回・合計53円配当のため、配当利回りは約1.96%となります。
コメダホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末・8月末の単元株主に対して、年2回1,000円分のコメカチャージを進呈していますので、配当優待利回りは約2.96%となります。なお、別途議決権行使により年1回500円分のチャージもあります。
■2021年2月期 売上高 288億円、営業利益 55.1億円 EPS 77.9円
■2022年2月期 売上高 333億円、営業利益 73.0億円 EPS 107.0円
■2023年2月期 売上高 378億円、営業利益 80.2億円 EPS 117.6円
■2024年2月期 売上高 425億円、営業利益 87.0億円 EPS 127.3円 ce
□2023年8月中 売上高 211億円、営業利益 43.0億円 EPS 63.0円 四e
2023年2月期の売上高はYoY+13.6%の378億円、営業利益はYoY+9.8%の80.2億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。4月から大半のFC店で珈琲の末端価格を1杯約50円前後の値上げを実施したほか、珈琲豆等の原価高騰にともなって9月からは当社からFCへの卸価格を値上げを実施したものの、“ちいかわ”コラボやモーニングメニュー拡充で既存店売上高(SSS)は105.9%を確保しました。出退店は、内外純増31店で総店舗数は987店となり、そのうち海外は純増8店(総店舗数37店)となりました。
進行期である2024年2月期の予算については、売上高がYoY+12.3%の425億円、営業利益はYoY+8.4%の87.0億円を見込んでいます。昨年9月の卸価格改定の通期寄与もあり、計画上のFC卸売上はYoY111.1%でセットしていますが、相次ぐ“ちいかわ”等強力IPとのコラボや、ブラックモンブラン等のヒット商品にも恵まれ、既に5月迄が開示済の3ヵ月累計SSSは114.2％と高水準で進捗しています。なお通期の出退店については、純増33～53店を見込んでいます。
当社は2021年4月に公表した5年中計で、2026年2月期までにEPSを77.8円→125.4円(CAGR10%)を引き上げる計画でしたが、足許の好調な実勢を反映し、最終目標EPSを144.0円(CAGR13％)まで増額しています。これに従って目標ROICも10.0%→11.5％に改定したものの、出店計画については当初のものを据え置いており、店舗数を914店→1,200店に増店する目標であるものの、此方は実勢比ビハインドと考えられます。
重点戦略として①既存モデルの拡充、②新事業・MAの追求、③財務価値の維持・拡大、の3点が挙げられています。①は単純増店策となっており、国内カフェ/喫茶店のTAMは約1～1.2兆円存在することから、中計に照らせば1年間で国内40店強・海外10店強、延べ50～60店を出店していく計画と試算されます。当社店舗はこれまで中京圏で突出したドミナント展開を行っていたものの、従来の“短時間滞在型(ドトール他)”の代替需要が伸長している都心型店舗を拡大させる計画であり、昨今では東京圏では新宿・秋葉原界隈で集中出店しています。
なお当社は店舗の95％超がFCであり、珈琲やパン等の卸売が本業となります。それにロイヤリティ収入が1.5千円(1席/月)と、一過性ながらFC加盟金収入が加算され、FC1店増店による営業利益感応度は年10百万円弱と推定されます。食材原価は基本的に価格転嫁するほか、水道光熱費も人件費もFC負担のため、当社自体の採算性は確保されやすいスキームとなっています。他方、FC側の末端価格決定権に柔軟性を持たせるといった配慮もなされており、諸々コスト増要素はあるものの、現時点では持続可能なモデルと解されます。
財務面については、見た目上の自己資本比率は40.5%と高水準ですが、ファンド転売案件(アドバンテッジ→MBKパートナーズ)であり、転売絡みの自己創設のれんが383億円分B/Sに横たわっています。なお配当については、1円増配となる年53円配当(配当性向41.6％)を見込んでいます。
*参考記事① 2023-01-07 2,436円 OP
【3543】コメダHD/“ちいかわ”コラボと、9月からのFC卸価格改定で下期巻き返しへ。
*参考記事② 2022-07-11 2,324円 OP
【3543】コメダホールディングス/4月からほぼ全店で値上げ、FC卸売売上は遅れて寄与。
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