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上場会見:グッピーズ<5127>の肥田代表、歯科求人の次は集患

30日、グッピーズが東証グロースに上場した。初値は公開価格の1550円を30.32%上回る2020円を付け、2137円で引けた。閲覧課金型の医療系求人サイトの「GUPPY」を運営する。全国の歯科医院の27%と歯科職種就業者の42%が利用し、売り上げの8割強を歯科業界向けが占める。体重や睡眠といった19種類の健康管理コンテンツを搭載した一般利用者向けの無料アプリも運営する。肥田義光代表が東京証券取引所で上場会見を行った。

掲載課金や採用課金の求人事業が大半を占めるなか閲覧課金型の求人サービスの独自性や優位性を説明する肥田代表
掲載課金や採用課金の求人事業が大半を占めるなか閲覧課金型の求人サービスの独自性や優位性を説明する肥田代表

―初値が公開価格を上回ったが受け止めは
上回る価格でできたことは興味をもってもらえたということなので、嬉しい。出来高を見ても上場企業の50位ぐらいの出来高と聞いている。それだけ興味を持たれたことはありがたい。今後も期待に応えられように企業価値の向上に努めたい。

―仮条件を提示した段階で公募と売出株数の変更があったが、その背景を聞きたい
清水瞬取締役:公募と売り出しいずれも変更している。公募に関しては、当初想定していた以上に評価された結果、上場時の必要資金が満たされたため、40万株から36万3000株に減らした。売り出しは公募を減らしたことに伴い市場への供給量が減った分を追加したかったことが1点。2点目は外形的ガバナンスについて、上場前の株主の保有比率が66.6%未満、株主総総会の特別決議ができない水準に落とすことが適切と考えた。そのため肥田代表の売出数を増やした。

―閲覧課金売上高に関して、第3四半期で120円に値上げしたが、当面の値上げの予定は
肥田代表:現状は値上げの計画はない。

―どのタイミングで値上げに踏み切るのか
あくまでも今までの傾向だが、数年に1度、例えば2年に1度値上げしている。市場環境などを見つつその時に判断している。

―歯科周辺ビジネスへの参入をもう少し具体的に
木村仁士取締役:歯科医院向けに求人サービスを提供しているが、歯科医院の課題のもう1つは集患だ。求人では我々の存在価値はあるが、それだけではなく集患サービスを通して、歯科医院の2つの課題にサービスを提供したい。求職者集めに用いる施策を集患にも展開して、歯科医院と患者のマッチングサービスをリリースしていく。

―求人の施策を集患にどう生かせるのか。通院中の歯科医院をすぐに変えることはそれほどないような気がするし、選ぶ際にはいろいろな要素があるのではないか
肥田代表:今まで使っているというよりは、何かあった時にどこの歯科医院に行くかという新患獲得のための集患サイトにしようと思っている。例えば、歯科医院が駅前にいくつもあるので、どこに行けばいいのか分かりにくい。そのような課題を解決したい。

―健康管理アプリのマネタイズに関して聞きたい。アプリの利用に際して集まる利用者の情報は健康保険組合などに帰属するので、それらに関するグッピーズの関与はないのか
木村取締役:健保組合や自治体、法人が利用し、各事業所の担当者が、管理画面上でいろいろと確認することはあるが、我々がそのデータを用いて何かをすることはない。

―あくまでアプリの提供までか
そうだ。

―今後の売上高や経常利益の成長イメージは
木村取締役:向こう3年ぐらいは現在の利益率を確保することを目標に事業に励んでいきたい。歯科業界の人材が基本でメインになるので、今まで以上の水準で成長し続けられる施策を打ちたい。

―経常利益率に関しては2021年8月期の21.8%ほどぐらいの水準か
詳細は言えないが、そこを目標にしていきたい。

―売り上げに関しては
もちろん売り上げも伸ばしていきたい。近年は売り上げ成長率が高かったが、今後は成長率というよりも成長幅で前年を上回りたい。率としてはそこまではどうかと思うが、そこを目指したい。

―株主にベンチャーキャピタル(VC)がいないが、資本参加の要望は過去にあったのか
肥田代表:過去にはあったが、社歴が長くなって声がかからなくなってきた。VCからの資金調達を必要としていなかった。

―初期からキャッシュが回っていたのか
初期には厳しい頃もあった。

―資金調達の方向性は。キャッシュが回っており大きなものは必要ないのか
清水取締役:現状に関してはその認識で結構だ。今後、事業計画や市場環境によって大きな資金調達が必要になれば追加でPOなどをする。

―M&Aの青写真は
肥田代表:現状では考えていないが、事業計画を進めるうえで検討する会社などがあれば慎重に決めたい。

―株主還元は
当面は事業を伸ばすことに資金を使いたい。うまく回り出すようであれば配当も検討しなければならない。

[キャピタルアイ・ニュース 鈴木 洋平]