四季報比較:春号と夏号の違いを考察
事業特色と戦略
春号では婚礼事業の施行件数の増加と単価の回復が着実に進行していた一方、夏号では単価の回復が鈍化しています。 しかし、ホテル事業は訪日客の増加により、稼働率と単価が予想以上に好調であるとの記載があります。
婚礼事業における新商品の開発や既存施設の改装が進んでいることから、顧客のニーズに対応したサービス強化を進めている様子が伺えます。 また、ホテル事業では中国からの観光客の回復による一段の業績向上が期待されています。
業績予想
売上高、営業利益、経常利益の予想値は春号から夏号にかけて上方修正されており、特に営業利益の予想値が500百万円上方修正されています。 これはホテル事業の好調が反映されていると考えられます。
純利益についても、連23.12予の数値が春号の2,900百万円から夏号の3,300百万円へと400百万円上方修正されています。
これは業績の好調が底辺にまで波及している証拠と言えます。
1株配当については、春号で10円の復配が予想されてましたが、夏号では中間配も再開されると明言されています。 これは企業の収益性向上に伴い、株主還元策が強化されることを示しています。
結婚式場からホテル経営へと拡大する多角化ビジネス
ツカダ・グローバルホールディングは、欧米風邸宅での挙式・披露宴を行うゲストハウス・ウェディングを全国に展開する会社で、これまでにハワイ中心の海外ウェディングも手がけてきました。
会社概要
同社は1995年に設立され、2004年に東京証券取引所に上場しました。
本社は東京都港区にあり、全国で2,041名(2022年12月現在)の従業員が働いています。
その内訳は、連結従業員が2,041名、単独従業員が63名で、平均年収は476万円です。
主力事業:ゲストハウス・ウェディング
主力事業であるゲストハウス・ウェディングは、欧米風の邸宅を利用した挙式・披露宴を行うものです。
その中で、婚礼企画や衣装、美容、写真などを内製化し、他の式場やホテルからの業務受託も拡大しています。
ホテル事業の拡大
2007年からはホテル事業にも進出しており、2011年にはインターコンチネンタル東京ベイの運営会社を買収しました。
さらに、世界的なホテルグループのインターコンチ(IHG)の高級ブランド「キンプトン」を日本に誘致し、2020年に東京・西新宿で開業しました。現在では5つのホテルを運営しています。
株主構成
主要な株主としては、ファインエクスパンド(有)が47.07%、塚田正之氏が14.84%、AOKIホールディングスが6.84%となっています。
自社の保有株式は全体の2.57%を占めています。
今後も期待出来るビジネス多角化と成長
ツカダ・グローバルホールディングは、婚礼業から始まったビジネスを多角化し、ホテル事業を拡大してきました。
今後も経営全般に塚田正之社長のリーダシップにより、さらなる成長と業績改善が期待されています。
ただし、借入金依存度が高い点には注意が必要です。
6月・12月年2回 配当&株主優待
6月中間配当:5円
12月配当:10円
株主優待100株以上:自社グループ運営施設飲食・宿泊・施術等割引券2枚
※飲食、宿泊、施術等の割引率は施設により異なる
株価指標分析とライバル比較:ライバルと比較しても割安でお買い得
株価指標によるツカダGHの評価
ツカダGHの予想PERは2023年、2024年ともに低水準を保っています。
これは一株あたりの利益が株価に対して高いレベルにあることを示しています。
また、PBRが1倍未満であることから、ツカダGHの株価は企業の純資産価値を反映していないとも考えられます。
この二つの指標から見て、ツカダGHの株価は割安と評価できます。
配当利回りも約2.3%となっており、十分な水準であるといえます。
ライバル企業との比較
ツカダGHと同業他社であるテイクギヴ、ブラス、エスクリを比較すると、営業利益率や予想PER、実績PBRなどの指標でツカダGHが優位に立っています。
特に予想PERと実績PBRではツカダGHが最も低い数値を示しており、これは株価が割安であることを意味します。
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