【6172】メタップスの業績・決算・株価~本業赤字拡大を事業売却益でカバー?

【6172】メタップスの業績・決算・株価

今回は、フィンテックやらICOやらQR決済やら流行りものをやっているとされるメタップスの業績と株価についてみていきます。

まずはメタップスの会社説明、事業説明からはじめます。

 


メタップスの会社説明、事業説明

メタップスは、ぶっちゃけた話、何をやっている会社かよくわかりません。

とりあえず、フィンテック(金融とテクノロジーの融合)だの、QRコード決済だの、ICOだの、ブロックチェーンだのといった絡みで語られるものの、その実際の事業内容となるとサッパリよくわからない。

メジャーなサービスを提供していないため、リサーチの対象になりにくい・・・にもかかわらず、独特な知名度があって個人投資家に人気の銘柄、という感じの企業です。

 

 

メタップスの事業~タイムバンク

メタップスの事業で一番有名なのはタイムバンクでしょうか。

有名人と話す時間を10秒単位で売買できるというものです。

ホリエモンやはあちゅうなど、そっち系の人達がやたらとプッシュしていたことで有名になりましたが、そのあとは大きく稼ぎが増えたという話も聞かず・・・いつのまにか、メタップスの創業者である佐藤航陽氏がMBOしてしまったそうです。

メタップス 2018年10月30日 プレスリリース

なお、このMBOがなんぼで行われたかはサッパリわかりません。開示しなくても良い水準だったのでしょうか。

 

 

メタップスの事業~プリン(Pring)

メタップスが行っている事業には、いま流行のキャッシュレス決済も含まれています。

名前はプリン、Pringといってニチガスと提携しています。

業界最安値の決済手数料0.95%を提案して販売促進に努めていますが、同社が決済手数料を発表した直後、LINEペイが3年間決済手数料無料を発表したり、PayPayが100億円還元キャンペーンを行ったりして、すっかり影の薄い決済サービスになってしまっています。

 

 

メタップスのICO事業

メタップスはイニシャル・コイン・オファリング/ICOにも積極的に乗り出しました。

しかし、こういった資金調達手段に対して会計基準上の問題点を指摘する声があり、いろいろと揉めました。

とりあえず発行できて収益認識できたようですが、ただでさえよくわからない同社の会計が、さらによくわからなくなりました。

 

 

 

メタップスの2019年Q1決算と業績

メタップスの2019年Q1決算は上記のようになっています。

売上は大幅に減りましたが、営業利益は大幅に増加しています。

この背景に、同社は

営業利益は、新規事業やブロックチェーン関連事業への投資を積極的に行なったものの、子会社の支配喪失に伴う保有株式の評価益を計上し、前年同期に比して大幅な増加となりました。

と発表しています。

「本業は赤字だけど、子会社売却益を営業利益にのっけているよ。」

ということでしょう。

たぶんこれは、上述したタイムバンクのメタップス創業者への売却なのではないかと思われます。

 

なお、この件は要約四半期連結損益計算書をみればよりわかりやすくなっています。

 

メタップスの業績~要約四半期連結損益計算書

メタップスの業績は、損益計算書をみてみれば動向がよくわかります。

つまるところ、本業は大赤字です。

売上総利益948に対し、販管費が1389にもなっています。

前年よりも売上総利益は減って、販管費は大幅に上昇しています。

これをカバーしたのは、1876にも及ぶその他収益です。

これがなかったら赤字だったはずです。

 

 

 

メタップスのセグメント業績・利益

マーケティング関連事業は利益が大幅に減。

ファイナンス関連事業は売上が大きく減少して利益も赤字転落

その他事業も赤字が二倍程度に拡大しています。

はっきり言って、本業の業績はかなり悪そうです。

 

 

 

メタップスの株価

メタップスの株価は、上記のような経営実態を受け低迷しています。

かつてはインフルエンサーの一人としてみられていた社長の佐藤航陽氏ですが、最近はちょっといろいろ勢いがありません。

とりあえず、どんなにキラキラしてみても、派手なことをいってみても、決算数字は物語ります。

お化粧しない限り、決算は真実を伝えます。

そこが、いい所だと思います。

以上。