【感染症薬主力】抗HIV薬など感染症薬開発を強化。
23日の東京株式市場で塩野義製薬株が一時前日比681円(10%)安の6105円まで下落し、年初来安値を更新した。厚生労働省の専門部会は22日、同社が開発した新型コロナウイルス治療薬「ゾコーバ」(販売名)の承認審議継続を決定。業績寄与の遅れが不安視され、売りが広がった。
終値は378円(6%)安の6408円だった。朝方から商いを伴って下落し、売買代金は前日の3倍以上に膨らんだ。
ゾコーバは承認されれば国産初のコロナ向け飲み薬となり、今後の主力製品となる期待があった。市場では「(今回の部会で)承認へのゴーサインが出ると想定していた」(モルガン・スタンレーMUFG証券の村岡真一郎氏)と期待感が高まっていた。結論の持ち越しをネガティブ・サプライズと受け止めた売りが膨らんだ。
auカブコム証券の河合達憲氏は「いずれ認可されるとみられており、一時的な反応だ」と指摘する。もっとも、感染が落ち着いた状況では新薬の大規模な普及は見込みにくい。いちよしアセットマネジメントの秋野充成氏は「コロナ治療薬の緊急性や新規性は昨年までと比べて低下しており、今後承認されても株価への寄与は限定的になるのではないか」とみていた。
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