スシロー運営元、値上げで国内の客足遠のく 海外は絶好調も減益に

金子智彦
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 大手回転ずしチェーン「スシロー」などを傘下に持つ「フード&ライフカンパニーズ(F&LC)」が9日発表した2023年3月中間決算(国際会計基準)は、本業のもうけを示す営業利益が前年同期比45・3%減の52億円、純利益は同35・1%減の36億円だった。昨年10月に実施した値上げの影響で、国内の回転ずし事業が不振だった。

 売り上げの約2割を占める海外事業が2倍近く成長して、売上高は同2・2%増の1432億円だった。しかし、国内スシロー事業の売上高は同12・1%減の987億円。原材料費や物流費の高騰、円安などを理由に踏み切った値上げの影響で客足が遠のいた。昨年10月~今年3月の既存店の売上高が前年同期比84・8%、既存店の客数は同82・7%と、回復しきれていない。

 回転ずし店では、店内での迷惑行為を撮影した動画がSNS(交流サイト)で拡散し、各社が対応に追われた。スシローでも客席とレーンの間にアクリル板を設置したり、注文品のみをレーンに流す運用に改めたりした。被害を受けた店を応援したいという客が増えたことで、2月に限っては既存店売上高、客数が前年並みまで回復した。

 オンライン会見したF&LCの吉田剛執行役員は「国内事業は徐々に回復の兆しをみせている。難しい状況は続いているが、しっかりと営業利益を確保できたことは一定の評価ができる上半期だった」と話した。(金子智彦)

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