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華為の設備投資、「いったん凍結」と安川電社長-CFO逮捕で

更新日時
  • 設備案件をいったん全て止めて、中を整備している状態
  • 長期的に見ると間違いなく中国が伸びる、5G導入に期待

華為技術(ファーウェイ・テクノロジーズ)の孟晩舟最高財務責任者(CFO)がカナダで逮捕された事件で、同社と取引がある安川電機は、ファーウェイ内の設備投資が一時的に凍結されているとみている。

  12日に取材に応じた安川電の小笠原浩社長が、同社の中国駐在担当からの情報として明らかにした。小笠原社長は「ファーウェイの設備投資がいったん凍結されている」とした上で、「中がひっくり返したようになっていて、いろいろな設備案件をいったん全て止めて、中を整備している状態」と聞いていると説明した。

Tour of The Yaskawa Electric Corp. Solution Factory

安川電機のスマートファクトリー

Photographer: Shiho Fukada/Bloomberg

  ファーウェイの広報担当者は、機器調達の決定は数カ月前に行われていると述べた。同社は設備投資の一時凍結を否定し、「設備投資の減少計画は持っておらず、事業はいつも通り行われている。実際、日本や他地域のサプライヤーとの提携関係をさらに拡大するつもりだ」との声明を発表した。

  小笠原社長は中国が国家戦略として進める次世代通信規格の第5世代(5G)導入の方針は変わらず、内需も旺盛なことから「長期的に見ると間違いなく中国が伸びる」と強調。現状は中国のスマホ-メーカー各社が5Gの導入を見据えて設備投資を控えているが、整備が本格化すれば「各社は設備を一新してくると思う」と述べた。

  安川電は売上高の4分の1を占める中国での事業を強化するため、同国での工場を増設して生産増強に備える。今年半ばにスマホ関連需要に一服感が出たことや米中貿易摩擦の影響による設備投資マインドの低下が響き、10月には2019年2月期の営業利益予想を655億円から590億円に下方修正していた。

  安川電は産業用ロボットなどを生産しており、ファナックやスイスのABB、中国の美的集団傘下の独クーカを含む世界4大ロボットメーカーの一角。スマホ関連や半導体・電子部品向けの受注が急増し、今年1月には上場来高値の6120円を付けたが、今月に入ってからは3000円台で推移している。

  この報道を受け、前日比で上昇していた安川電の13日の株価は一時4%安の2995円まで下落したほか、中国と関連の深いFA関連銘柄のファナックTHKナブテスコも急速に上げ幅を縮め、一時マイナス圏まで下げた。安川電は0.2%安、FA関連3社はプラスで取引を終了した。

(3段落のファーウェイの見解を更新します.)
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