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川崎船CDS連日急上昇、赤字拡大嫌気-格付け取り下げも「印象悪い」

  • 11日は気配中間値が450bpになっている-複数のトレーダー
  • 赤字拡大で「投資適格でも投資対象にはしにくい」-投資家

川崎汽船の社債保証コスト(CDS)が連日で急上昇している。今期(2019年3月期)純損失拡大の影響が尾を引いている。

  CMAによると川崎船5年物CDSは8日、435.3bpと前日比で65.5bp上昇した。2013年1月末以来の高水準。海運では日本郵船と商船三井が13bp台の上昇で川崎船の上げが目立つ。複数のトレーダーによると川崎船CDSは11日、気配中間値が450bpになっている。ブルームバーグのデータによると川崎船の第12回債(2020年8月償還)と第13回債(2022年8月償還)の価格(気配値)も急落した。

構造改革で今期赤字が1000億円に

  川崎船は7日に今期純損失の1000億円への拡大を発表、この日のCDSも急上昇していた。格付投資情報センター(R&I)は8日、川崎船の格付けを同社の申し出により取り下げたと発表した。R&Iは2月27日に「BBB-」(投資適格級)から「BB+」(投機的等級)に格下げしたばかりだった。川崎船の格付けは現在、日本格付研究所(JCR)の「BBB-」のみ。

  朝日ライフアセットマネジメントの大芦尚広シニアファンドマネジャーは川崎船CDSについて、業界低迷の中でコンテナ船統合といった対応をしても赤字が拡大したとして「投資適格でも投資対象にはしにくい」と語った。また、投機的等級を付けたR&Iの格付けを取り下げたことについては、CDSへの影響は不明ながらも「投資家への印象は悪い」とも話した。

  川崎船広報担当者は、赤字拡大の原因となった不経済船の処分などについて、来期業績を黒字に持っていくための施策で今後しっかり利益を積み上げらるようにと思っている、と語った。またR&Iの格付け取り下げについては、事業の継続上で必要はないと判断した、と述べた。広報担当者は会社の方針だとして個人名を明らかにしなかった。

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