任天堂株が1年超ぶり高値、9月上昇なら33年ぶり7カ月続伸
院去信太郎-
スイッチライトなど新製品投入へ、アナリストも強気派大勢
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米中摩擦の中で景気に左右されにくい銘柄との評価もー岩井コスモ証
任天堂の株価が4営業日続伸し、1年超ぶりの高値を付けた。人気ゲーム機「スイッチ」の携帯専用版やスマートフォン向け新ソフトの配信開始が近づく中、アナリストの多くが強気の投資判断を維持している。9月を上昇して終えれば、7カ月連続高は33年ぶりの記録となる。
18日の任天堂株は、一時前日比1.7%高の4万2600円と昨年6月以来の水準を回復した。9月の騰落率は5.2%高。ブルームバーグのデータによると、7カ月続伸となれば、1985年10月から86年4月に記録して以来だ。
同社は20日、コントローラーと本体を一体化した「ニンテンドースイッチ ライト」を発売する。販売価格は従来品より1万円安い。スイッチと連動して遊ぶ運動器具「リングフィット アドベンチャー」も10月18日に発売する。
スマホ向けゲームでは、人気キャラクターが世界中でレースを行う「マリオカート ツアー」の配信を25日に控える。ポケモン(東京・港区)やディー・エヌ・エーと共同開発したポケモンマスターズは、先月29日の配信開始から4日目でダウンロード件数が1000万件を超す人気だった。
任天堂をカバーするアナリストのほとんどは強気の投資判断を示しており、ブルームバーグのデータによると22人中、買いは19人、中立3人、売りはゼロ。直近でも13日付でみずほ証券、JPモルガン証券、岡三証券の3社が強気判断を維持した。
投資判断を「A(アウトパフォーム)」としている岩井コスモ証券の川崎朝映シニアアナリストは、「スイッチライト発売によるユーザーの広がりやスマホ向けゲームの発売期待が出ている」と指摘。中長期的にも「成長ドライバーのスイッチの収益拡大期待が続いているほか、マクロ経済面では米中摩擦など海外に不透明感があり、比較的景気に左右されにくい銘柄としての評価も出てきている」と分析した。