ドル・円が108円割れ、日銀追加緩和見送りで円買い強まる
小宮弘子
更新日時
東京外国為替市場のドル・円相場は7週間ぶり高値付近から反落。日本銀行がマイナス金利の深掘りなどを見送ったことを受けて円買いが強まり、ドル・円は1ドル=108円を割り込んだ。
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市場関係者の見方
FXプライムbyGMOの上田眞理人常務取締役
- ドル・円はそもそも108円50銭を抜けなかったことで、だんだん売りが勝ってきていた。東京時間は最近ずっと輸出の売りが出ているようで、日銀もやはり動かずということで改めてポジション調整などの売りが出たのだろう
- ただ、FOMCも今後の利下げ継続については疑問符がつくところがあり、107円50銭をどんどん割っていくというような動きにはなりにくい
三菱UFJ銀行グローバルマーケットリサーチの内田稔チーフアナリスト
- 日銀の据え置きは予想通り。展望リポートの出る10月にフォワードガイダンス変更はやると思うが、追加緩和は12月以降か為替の105円割れが定着した場合だろう
- 黒田総裁の会見では、状況によってはちゅうちょなくと動くとし、マイナス金利深掘りも選択肢と強調すると思うが、深掘りは相当な副作用軽減策とセットと考えるとハードルは高く、市場も懐疑的なままではないか
あおぞら銀行の諸我晃総合資金部部長
- 黒田総裁会見では緩和方向の話が出てくるとみており、ドル・円もまた戻すかもしれないというイメージ
- FOMC後はドル買いの流れになっているので、ドル・円も落ちたところでは押し目買いが入ってくると思う
背景
- 日銀は19日の金融政策決定会合で、長短金利操作付き量的・質的緩和の枠組みによる政策運営方針の維持を賛成多数で決定
- FOMCは18日、フェデラルファンド(FF)金利の誘導目標レンジを1.75-2%に0.25ポイント引き下げることを決めたが、今後の追加緩和の必要性を巡っては意見が分かれた
- 8月の豪雇用者数は3万4700人増と市場予想を上回ったが、正規雇用者数は1万5500人の減少だった
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