パナソニックが1年2カ月ぶり高値、米テスラとの電池事業黒字化
院去信太郎-
3日の米市場ではテスラ株も21%高と急騰し、上場来高値
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第3四半期営業利益は予想上回る、諸施策効果出始めたとアナリスト
パナソニック株が大幅反発し、1年2カ月ぶりの高値を付けた。赤字続きだった米国での電気自動車(EV)向け電池事業が黒字に転換した。第3四半期決算についても、アナリストらは前向きに評価している。
株価は4日の取引で一時、前日比9.7%高の1180円と2018年12月4日以来の高値を付けた。上昇率も16年2月15日(12%)以来の大きさ。
パナソニックの梅田博和最高財務責任者(CFO)は3日の決算会見で、米EVメーカーのテスラと共同運営する米国の円筒形リチウムイオン電池工場「ギガファクトリー」での事業について、昨年10-12月期に黒字化したことを明らかにした。来年に向け、黒字の定着を図っていけるとも述べた。
3日の米国株市場では、ギガファクトリーの黒字転換や一部アナリストが目標株価を引き上げたことなどを材料にテスラ株も21%高の786.14ドルと急騰し、上場来高値を更新した。
パナソニックが3日に発表した19年10-12月期決算も市場予想を上回り、複数のアナリストがポジティブと評価した。売上高は中国の投資需要低迷などで8%減ったが、営業利益は3%増の1004億円。市場予想は703億円。構造改革費用を事業売却益などで補い、オートモーティブ分野では円筒形車載電池が増収増益だった。
三菱UFJモルガン・スタンレー証券も宮本武郎シニアアナリストはリポートで、第3四半期決算をポジティブとし、「費用削減を含め諸施策の効果が出始めており、今期業績は底堅い印象」と分析した。
シティグループ証券の江沢厚太アナリストもポジティブな印象とした上で、同社の収益は「浅い谷と低い山の回復軌道に入っていることを示唆している」との見方を示した。