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コロナワクチン開発のイノビオとモデルナ、空売り残が630億円超える

  • 今週はイノビオ1億8600万ドル、モデルナ4億1700万ドル-S3
  • シトロン・リサーチはイノビオの株価が2ドルに下げると予想

新型コロナウイルスワクチンの開発に取り組んでいる企業の株式の空売り残高が今週、2銘柄だけで計6億300万ドル(約630億円)を超えたことが、金融分析会社S3パートナーズの調べで分かった。

  イノビオ・ファーマシューティカルズの空売り残高は1億8600万ドルと、少なくとも1年ぶりの高水準。シトロン・リサーチが9日、イノビオの株価は下落して2ドルに戻ると予想したことを受けた。株価は9、10両日に大きく下げたものの11日に47%上昇。12日には、新型コロナワクチンへの取り組みを巡りビル&メリンダ・ゲイツ財団から500万ドルの助成を受けたとの発表を手掛かりに一時43%上昇。終値は14%高の9.50ドルだった。

  モデルナの空売り残高は4億1700万ドル。今月には5億ドルを超えた時もあった。S3のデータが示した。両社とも自社製品が発売に至ったことはない。イノビオは数年前からエボラ出血熱やジカ熱などを標的とした開発を行っており、モデルナはメッセンジャーRNA(mRNA)技術に基づく個別化がんワクチンの開発を手掛ける。

  新型コロナを巡り両社が今後成功する可能性を疑問視する見方はまだ株価の潮目を変えていない。今年に入ってイノビオは約3倍に上昇、モデルナは12日には下げたが、年初来では14%高となっている。

原題:
Biotech Virus Rally Draws Over $600 Million in Short Bets (1)(抜粋)

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