ビル・ゲイツ
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- マイクロソフトの共同創業者ビル・ゲイツは、ビットコインについては「強気」ではないとブルームバーグに語り、暗号通貨取引に手を出すことへ警告を発した。
- テスラのイーロン・マスクCEOほどの資金を持っていない人は気をつけた方がいい、とゲイツは言う。
- ゲイツは、ビットコイン取引の背後にある匿名性は良いことではないと考えている。
世界第3位の富豪で、気候変動問題の活動家でもあるビル・ゲイツ(Bill Gates)は、環境問題などの面からビットコインを好ましく思っていない。
ビットコインはマイニングで大量のエネルギーを消費するだけでなく、ボラティリティ(価格変動性)が高いため、資金に余裕のない投資家にとっては災いの原因になる可能性があるとゲイツは考えている。
「イーロンは十分な資金を持っており、よく分かっているので、ビットコインの価格がランダムに変動しても気にしないだろう」とゲイツはブルームバーグに語った。
「熱に浮かされるようにビットコインへの投資を行った人の中には、それほど資金に余裕のない人もいると思う。私はビットコインを楽観視していない。イーロンほどの資金がないのであれば、気を付けた方がいいだろう」
ビットコインは2月23日、前日比で13%下落し、約4万6817ドルになった。2月21日には、史上最高値となる5万8354ドルを付け、年頭からほぼ倍増して投資家に利益をもたらしたが、そこから急落した。
慈善家であり、気候変動活動家でもあるゲイツは、著書『How to Avoid a Climate Disaster(気候災害を避ける方法)』を発売したばかりだ。彼は以前、暗号通貨がかなり直接的なきっかけとなって死者を出していると述べた。また、ビットコイン取引の背後にある匿名性はよいことではないと考えている。
「ビル&メリンダ・ゲイツ財団でもデジタル通貨で多くのことを行っているが、誰が取引しているのかが分かるようにしている」とゲイツはブルームバーグに語った。
「デジタル通貨はよいものだが、それは別のアプローチにおいてだ」
ジャネット・イエレン(Janet Yellen)財務長官も、暗号通貨に対する疑念を声高に語っており、大量のエネルギーを消費するマイニング(採掘)が環境へ与える影響についても懸念を示している。
「私はビットコインが決済手段として広く使われているとは考えていない」とイエレンは2月22日付のニューヨーク・タイムズで述べている。
「決済手段として非常に非効率であり、その処理のために消費されるエネルギー量はあまりに膨大だ」
(翻訳:仲田文子、編集:Toshihiko Inoue)