富士フイルム和光純薬は３０日、新型コロナウイルス遺伝子およびヒト遺伝子を検出する遺伝子検出キットと、唾液を検体として使えるようにする前処理試薬を発売すると発表した。検体中の新型コロナウイルス遺伝子が分解されることで生じる偽陰性を防げる。検体採取後約１時間で検査結果を得られる。
検体の保管不備などによりウイルスの遺伝子が分解され、偽陰性と判定される場合がある。ヒト遺伝子は感染の有無にかかわらず検体に必ず含まれているが、何らかの原因でヒト遺伝子が分解され、開発した遺伝子検査キットで検出されない場合は検体として成立していないと分かり、再検査が必要と判断できるなど検査精度を高められる。
前処理試薬は、唾液や鼻咽頭ぬぐい液などに添加すると、ＰＣＲ検査の検体に使える。従来必要だった煩雑なＲＮＡ抽出・精製作業を省略でき、約１時間要していた前処理を約１０分に縮められる。
いずれも３１日に日本で販売開始。保険適用を目指す。大阪工場（兵庫県尼崎市）で生産する。
