ゴールドウインとSpiber、「THE NORTH FACE」から構造タンパク質素材を使用したウェアを発売
【プレスリリース】発表日:2019年6月20日
新たな構造タンパク質素材(ブリュード・プロテイン)を使用したウェアの販売へ
THE NORTH FACEとのコラボレーションアイテム
枯渇資源に頼らないサスティナブルな社会を目指す「Planetary Equilibrium Tee」
株式会社ゴールドウイン(代表取締役社長:西田明男、本社:東京都渋谷区松涛2-20-6、東証一部:コード番号8111 以下、ゴールドウイン)と、Spiber(スパイバー)株式会社(代表執行役:関山和秀、本社:山形県鶴岡市覚岸寺字水上234-1 以下、Spiber)は、両社が2015年から取り組んできた共同研究で開発した構造タンパク質素材を使った「Planetary Equilibrium Tee」を、ゴールドウインが展開するアウトドアブランド「THE NORTH FACE(ザ・ノース・フェイス)」から2019年8月下旬に発売します。
アパレル分野から地球規模の環境課題に挑むために始まった両社の共同研究開発では、構造タンパク質素材の実用化に向けた研究と製品の開発を進めてきました。微生物を使った発酵プロセスによってタンパク質を生成し、Spiber 独自の加工技術により繊維化、紡糸、製織、生地加工、ガーメント制作の各工程でのテストを繰り返してきました。その過程で量産化に向けた数々のノウハウと加工技術を確立してきました。天然のクモの糸を模倣する技術から始まった研究開発は、現在ではより多様なタンパク質素材を作るフェーズに入っており、スポーツアパレルに求められる様々なニーズに合わせた、タンパク質素材の開発を進めています。
そしてこの度、両社のコラボレーションアイテムとして、研究開発の意義でもある地球規模の環境課題に対するメッセージを込め、構造タンパク質素材を使用したTシャツを「THE NORTH FACE」から発売します。
「THE NORTH FACE Sp.」コラボレーションアイテム
Planetary Equilibrium Tee(プラネタリー・エクイリブリアム ティー)
人間の重量は、地球上に存在する生物全体の約 0.01%。そんな小さな存在が、地球環境に大きな影響を与えています。2018年、地球の生物圏におけるバイオマスの分布や、生物圏に対して人類が与えてきた影響について統合的に調査、分析した学術論文「The biomass distribution on Earth(*1)」が、米国科学アカデミー紀要(Proceedings of the National Academy of Sciences U.S.A.)に発表されました。本論文のデータを読み解くと、地球全体のバイオマス重量の約82.5% を占めるのは一次生産者である植物であること、細菌(Bacteria)、菌類(Fungi)、古細菌(Archaea)、原生生物(Protists)を含む微生物(Microbes)が植物に次ぐ17%を占めること、動物はそれに対して0.5% と極めて少ない割合であること、人間は全体の0.01% 程度の存在にもかかわらず、人間と家畜を合わせた重量は野生動物全体の重量の20倍を超えること、などがわかります。このような学術研究に基づく新たな知見は、私たちに多様な視点や学びを与えてくれます。Planetary Equilibriumとは「地球の均衡」を意味します。現在の地球の状態だけでなく、原始から新たな均衡に向かって動的に変わり続けてきた歴史、それに人間が及ぼしてきた影響、この先自然と人間の関係性はどのように変化していくのか。私たちはこの論文にインスパイアされ、Planetary Equilibrium Teeをデザインしました。
*1 Yinon M. Bar-On, Rob Phillips, and Ron Milo (2018) The biomass distribution on Earth. PNAS 115 (25) 6506-6511
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