米社と針なし注射器 タカギセイコー、海外市場を開拓
樹脂製造のタカギセイコーは5日、医療機器分野に参入すると発表した。医療機器を手掛ける米社のHNSインターナショナル(カリフォルニア州)とその関係会社アイジェックス・ファーマインターナショナル(富山市)と連携し、針がない注射器を海外向けに製造する。現在試作を進めており、来春にも量産を始める。数年後に年20億円の売り上げを目指す。
タカギセイコーが新たに製造するのは、直径が小さいノズルから高圧・高速のジェット流で皮膚内に薬を直接注入できる注射器。需要が大きい0.5ミリリットルタイプで、糖尿病治療薬のインスリンなどの投与に使われる。針を使わないため、皮膚へのダメージが少なく、痛みも軽減できる。医療事故の防止にもつなげられるという。
タカギセイコーは、針なし注射器の特許を持つHNSインターナショナルから委託を受けて製造し、アイジェックスが海外約130カ国で販売する計画。高精度な金型設計・製造技術を生かし、安定して大量生産できることが評価され、供給に至った。今回の医療機器への参入を契機に、今後は美容分野や獣医療分野への展開も検討しているという。
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