RPAとSAPのERPを9週間で同時導入、IPSが新サービス
SAPジャパンとRPAテクノロジーズ、独SAPの統合基幹業務システム(ERP)導入を手掛けるアイ・ピー・エス(IPS)の3社は2018年12月10日、ERPの導入と同時にパソコン定型作業を自動化するRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)を使ってデータ入力を支援するサービス「EasyOne Cloud」を提供すると発表した。主に売上高250億円以下の中堅中小企業向けに販売していく。
EasyOne CloudはSAPのクラウドERP「S/4HANA Cloud」、データ分析サービス「SAP Analytics Cloud」にRPAテクノロジーズのRPAツール「BizRobo」を組み合わせて構成する。IPSがBizRoboを使ってS/4HANA向けに「受託ロボット」を事前に開発し、S/4HANA Cloudと同時に導入する。
手作業のデータ入力を代替
受託ロボットは、「これまでERPのユーザーが手作業で行っていたデータ入力作業を代替することになる」とIPSの渡邉寛社長は説明する。「S/4HANA Cloudから必要なデータを取得して請求書を作成する」「Excelから受注データを抜き取りS/4HANA Cloudに入力する」といった作業を想定している。「基本的なロボットを開発しておき、ERPを導入しながらユーザーに合わせてカスタマイズして導入する」(渡邉社長)という。
中堅中小企業向けに限定するのは、「中堅中小企業のほうがSAPのERPの持つ業務プロセスに合わせやすいため」(渡邉社長)だ。S/4HANA Cloudはパブリッククラウドのためカスタマイズできない。受託ロボもS/4HANAを標準機能のまま利用することを想定し、開発している。「クラウドERPの導入を短期化するだけでなく、導入後のデータ入力作業の負担も軽減できることがメリットだ」と渡邉社長は話す。
EasyOne Cloud導入に要する期間は約9週間。初期導入費用は980万円からで、ERPの導入範囲やロボット数などによって変わる。導入後の利用料は、S/4HANA Cloudの1ユーザー当たり月額3万円からを見込んでいる。
(日経 xTECH/日経SYSTEMS 島田優子)
[日経 xTECH 2018年12月10日掲載]