本庶氏が小野薬品を提訴へ オプジーボ特許料巡り
がん免疫薬「オプジーボ」の特許料などを巡り、小野薬品工業と対立する京都大学の本庶佑特別教授は、対価を巡る分配金150億円の支払いを求める民事訴訟を大阪地裁に起こす意向を固めた。本庶氏の代理人弁護士は27日、取材に対し「小野薬品の対応次第だが、9月初旬にも訴訟を提起することになるだろう」と述べた。特許料を巡る両者の対立は法廷闘争に発展することになる。
本庶氏側が訴えを起こすのは、米ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)と小野薬品が米メルクとの特許侵害訴訟で和解した際に決められた特許の使用対価の支払い配分について。本庶氏側はBMS・小野薬品を通じて、本庶氏側が受け取る対価として全体の10%を主張。現在の対価は少なすぎると主張していた。
小野薬品は現在受け取っている対価を法務局に供託している。本庶氏の代理人弁護士によると、金額を10%で計算した場合、2017年1月~19年3月末時点で150億円の差額が生じるという。
また、本庶氏側は小野薬品によるオプジーボの売り上げから得る対価の一部の増額も求めている。代理人弁護士は「今後の小野薬品の対応次第で、これらについても訴訟を提起する可能性はある」との見解を示した。
本庶氏は18年、オプジーボ開発につながった研究成果でノーベル生理学・医学賞を受賞している。小野薬品は日本経済新聞の取材に対し「当社としては現契約の見直しではなく、京大への寄付を前提に話し合いをしていく」とコメントした。
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