新潟、三セクの津南醸造 経営再建へ外部から経営陣と資金
業績低迷が続いていた第三セクターの津南醸造(新潟県津南町)が外部の資金と人材を活用し、経営再建を目指すことになった。8日開いた定時株主総会で、資本金を減資して新たに第三者割当増資し、新任の取締役に地場産食材を使った食品加工を手掛けるFARM8(長岡市)の樺沢敦社長らを迎えることを承認した。今後、首都圏を中心に日本酒の販売を強化する。
津南醸造の2019年9月期決算は、最終損益が967万円の赤字だった。累積損失は約2億6700万円に上った。経営を立て直すため、10月下旬の取締役会で、資本金を12月23日付で約3億700万円から約3900万円に減資し、累損を解消することを決めている。
併せて、12月24日までに第三者割当増資する。約1500万円をバイオスタートアップ企業、ユーグレナの創業メンバーで、執行役員の鈴木健吾氏が個人で引き受ける。このうち、約750万円を資本金に充てる。
社長は古沢有三氏が続投する。非常勤の新任取締役には樺沢氏(企画・販売・運営)のほか、事業承継や地方創成を手掛ける佐久間善太郎氏(経営管理)が就いた。製造や首都圏販売、新商品開発を担うアドバイザーも2人加わった。
津南醸造は「霧の塔」などの日本酒で知られる。農業の6次産業化を目指し、JA津南町や津南町、酒米「五百万石」を生産する農家ら計310の団体や個人が出資し、1996年1月に設立した。
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