ルロワ元副社長への報酬12億円 トヨタ
トヨタ自動車が24日に公表した2020年3月期の有価証券報告書によると、役員報酬が最も多かったのは6月に取締役を退任したディディエ・ルロワ元副社長の12億3900万円だった。18年3月期から3年連続で10億円を超えた。
報酬が1億円以上の役員の開示が上場企業に義務化された10年3月期以降、トヨタでは過去最高額だった。豊田章男社長の報酬は4億4900万円で前の期に比べて約16%増えた。米中摩擦や新型コロナウイルスの感染拡大が続くなか、20年3月期の連結営業利益が前の期比微減の2.4兆円と堅調だったことなどを反映した。
19年3月期は「100年に1度」と言われる自動車産業の変革期への危機感を共有する狙いから、10%の役員報酬削減を行った。今回の増額は、その反動も出たようだ。
また、日本製鉄や切削工具大手のOSGなど4銘柄について保有株をすべて売却したことが同報告書で明らかになった。トヨタは前の期でもいすゞ自動車、セーレンなどを売却しており、保有株の見直しを進めている。コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)の改訂で政策保有株の削減が促されていることに対応する。
トヨタは保有株の売却について、「取引関係に影響はなく、長期安定的な関係を継続できると判断した」と説明する。