トヨタ、政策保有株11銘柄削減 ダイセルなどゼロに
トヨタ自動車が2021年3月末に保有する上場企業株は54銘柄となり、1年間で11減らした。24日に提出した前期の有価証券報告書に記載した。化学大手のダイセルや自動車部品を手掛ける不二越といった株をすべて手放して、JR東海株も一部売却した。政策保有株を徐々に減らしており、保有する意義が薄れたと判断したようだ。
車部品メーカーの椿本チエインやTPRの株も保有がゼロになった。ダイセルはエアバッグを膨らませるガス発生装置を生産しており、トヨタは20年3月時点で発行済み株式数の5%弱にあたる1500万株を持っていた。当時の資産計上額は118億円だった。
トヨタは、事業環境が変わるなどして政策保有株の意義が認められなかったり、薄れたりした場合は、相手の理解を得たうえで売却するとしている。一方でスマートシティー(次世代都市)づくりで提携したNTTの株式を新たに取得。KDDI株も買い増している。
有価証券報告書では役員報酬も記載した。1億円を超えたのは社内取締役だった6人と、昨年6月の退任にあわせた報酬が膨らんだディディエ・ルロワ元副社長。豊田章男社長は4億4200万円で前の期よりわずかに減った。20年に取締役に就任したジェームス・カフナー氏は2億8400万円だった。