トヨタ自動車と千代田化工建設が組み、水を電気分解して水素を取り出す水電解装置の事業化に乗り出す。部品の9割超をトヨタの燃料電池車(FCV)「MIRAI(ミライ)」と共通化し、コストを抑える。大きさはコンテナの標準サイズと同程度で、一般的な設備の約半分にする。2027年の販売を目指す。小型・高出力を武器に、先行する欧米勢を追い上げる。
「FCV2万台のデータ活用」
2月末の東京ビッグサイト(東京・...
トヨタと千代田化工が水素製造システム FCV技術活用
トヨタ自動車と千代田化工建設は5日、水素製造システムを共同開発すると発表した。両社の技術を組み合わせ、水素製造装置を小型化し効率性を高める。2025年度からトヨタの本社工場(愛知県豊田市)で実証実験を始める計画で、27年度ごろからシステムを外販したい考えだ。 新システムでは水を電気分解して水素を生み出す。出力は約5メガワットで、1時間当たり約100キログラムの水素を製造することができる。設
ENEOS、水素でも盟主になれるか 分散型製造で先手
石油元売り最大手ENEOSは水素ステーションの敷地内での水素製造を進めている。製造から輸送、販売を各地にある水素ステーション内で完結する。分散する施設での水素製造は日本では初めて。海外からの輸入や大規模施設で集中して製造する方式と合わせて、2050年に国内水素シェアの50%を狙う。ただ、肝心の需要が盛り上がりに欠け、海外勢との競合も控える。水素ビジネスでも盟主であり続けるためのハードルは少なくな
中国新興、国産100%の水電解装置 再エネ出力変動に対応
水素エネルギーの利用が急速に広がり商用化が進むにつれ、再生可能エネルギーを使って生成する「グリーン水素」産業が勢いを増している。Hydrogen Council(水素協議会)と米マッキンゼー・アンド・カンパニーがまとめたリポートによると、2050年に世界全体で水素の需要量は年間約6億6000万トンになり、そのうち70%をグリーン水素が占めるという。電気分解で水素を製造する水電解装置の容量は550