北九州市長選 北橋氏、4選出馬表明 多選批判「甘んじて受ける」

 北九州市の北橋健治市長(65)が14日、任期満了に伴う市長選(来年1月13日告示、同27日投開票)に、4選を目指して立候補すると表明した。市役所で記者会見を開き、「スペースワールドの閉園や(百貨店)井筒屋の撤退など、課題を乗り越える戦略を市民に示したい」と語った。

 政党の推薦は求めないという。ただ、「市議会は行政と車の両輪」として、自民党市議団と公明党市議団、ハートフル北九州の3会派に、支援を要請した。これに対し、自民党市議団は、会派推薦を決定した。

 選挙に強いとされる北橋氏だが、不満もくすぶる。

 まず、この12年間で進んだ北九州市の地盤沈下だ。

 北橋氏は「子育て支援や教育、福祉、環境など多様化する行政課題に挑戦した」と、実績を強調した。

 だが、東芝やスペースワールドが撤退し、人口減少に歯止めがかからない。

 多選批判のブーメランもある。北橋氏は平成19年の市長就任後、市議会で「4期以上出るべきではない」と答弁していた。

 この点については「3期で公約を達成しようとしたが、さらに発展が必要だと思った。批判は甘んじて受ける」と述べた。

 また、自民党市議団が12日に開いた会議では、北橋氏が暴力団関係者と同席した場とされる写真が問題視された。写真は、差出人不明で各議員に届いたという。

 北橋氏は14日の記者会見で、20年6月に異業種交流会の名目で、飲食をともにした際に撮影されたと説明した。

 その上で「当時は一般人だった。その後、道を誤ったと聞くが、その後の交流はない。会話の内容もまったく記憶にない」と述べた。

 北九州市では、福岡県警を中心に、官民挙げて暴力団排除運動に取り組んできた。市の発注工事に関する要綱でも、暴力団と関わりのある者を含め、業者が密接な交際をした場合、指名停止などの措置を取ると定めている。今では、建設業者がパーティーなどを開催する際、暴力団関係者が含まれないか、厳格に身元を確認するという。

 北九州市長選には、共産党推薦の新人で、党福岡県常任委員の永田浩一氏(53)が無所属での出馬を表明している。

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