「実績もっと上がっていたら…」日本電産・永守会長が呉文精氏退社に言及 徹底した実力主義

 日本電産の永守重信会長兼社長は21日、大阪市内で開いた平成27年9月中間連結決算会見で、9月末に退社した元代表取締役副社長の呉文精氏(59)について、「実績がもっと上がっていたら、やめていくことはなかった」と述べた。呉氏が永守氏の期待に応えられなかったとみられ、日本電産が徹底する実力主義をうかがわせた。

 呉氏は日本興業銀行(現みずほ銀行)出身で、平成20年に日産自動車の部品子会社、カルソニックカンセイ社長に就任。経営を建て直した実績などから25年に永守氏にスカウトされ、当時業界の話題となった。呉氏は日本電産が成長の柱としている家電、産業部門を統括し、特に海外事業の拡大を期待され、昨年6月には代表取締役に就任。次期社長候補の1人と目されていた。しかし、今年6月には最高執行責任者(COO)を外れていた。

 永守氏は「やめた人のことを、とやかくいってはいけない」とした上で、「一般的に、業績が良ければ地位、給料が上がる。そういう人がやめることはない」と述べた。同社では実力主義を徹底しているといい、「うちの会社はシンプル。実績が上がれば上がる。上がってない人を上にあげるようなことはない。年功序列であがる会社ではない」と強調した。

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