東証2部に6日上場したナルミヤ・インターナショナルの初値が公開価格を4%近く下回り、証券関係者を落胆させた。同社は8期ぶりに市場に戻ってきた再上場銘柄だ。
新規上場(IPO)銘柄は過熱が指摘されるほどの人気だけに、再上場への拒否感の強さが確認された形だ。
ナルミヤは子供向け衣料品の大手。経営難に見舞われた後、非上場化を選択した。非上場化後は積極的な販路拡大に取り組み、高収益企業に変身を遂げて市場復帰を果たした。
株価が下がったタイミングで自社株を安く買い戻していったん非上場化し、その後に再上場して経営者が2度目の上場益をせしめる「錬金術」型の再上場もある。
しかし、同社は非上場化後に経営陣が入れ替わっており、投資ファンドなどの錬金術としての再上場とは性格が異なる。
市場では、「ナルミヤ株の再上場は人気化する」との楽観的な見通しが多かった。しかし、初値が公開価格を割ったことで、再上場IPO銘柄への逆風はまだまだ続きそうだ。
【2018年9月10日発行紙面から】