X線などの強い放射光を集光する高精度のミラーを開発。微細物質の解析で活躍している。導入分野は世界各地の先端研究所から宇宙関連、半導体製造装置へと広がろうとしている。

<span class="fontBold"><span class="title-b">超微細物質を「見える化」</span><br />ジェイテックコーポレーションが開発した高精度ミラー(上)は、放射光施設(下)で数マイクロメートルの超微細物質を解析する際に活躍する</span>(写真=読売新聞/アフロ)
超微細物質を「見える化」
ジェイテックコーポレーションが開発した高精度ミラー(上)は、放射光施設(下)で数マイクロメートルの超微細物質を解析する際に活躍する
(写真=読売新聞/アフロ)

 「詳しい仕組みを教えてもらえないか」。8月上旬、米ロサンゼルス。世界の学術研究機関が集まる学会で、ジェイテックコーポレーション(大阪府茨木市)の研究者は、多くの参加者から、こんな声をかけられた。同社は4月、電圧を加えることで表面の角度を自由に調整できる次世代の高精度ミラーを発表していたからだ。

 同社の高精度ミラーは、X線などの強い放射光を数十ナノ(ナノは10億分の1)メートル単位まで集光できる。強力な光を使う巨大な顕微鏡のような「放射光施設」などで使われる。アルツハイマー病の治療に役立つ可能性があるたんぱく質の微細分子や、転がりやすい一方でブレーキが利きやすい低燃費タイヤの材料などの解析に活躍する。

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