GCC経営™分析レポート:クオンタムソリューションズ株式会社(東証スタンダード 証券コード:2338)
GCC経営™分析よるターゲット時価総額510億円~1,271億円

2024/03/22

ベーシック ・ レポート
ジェイ・フェニックス・リサーチ(株)
宮下修

グローバル経営陣が2019年以来バリューアップを推進
 クオンタムソリューションズ株式会社(以下「QS」)は1999年にインターネットコンサルティング会社として設立された。業績悪化に伴い2021年、QSは上海出身の経営者を迎え、以来、多様な国籍を持つグローバルな経営陣がバリューアップを試行錯誤、事業転換(ピボット)しながら経営。2021年8月に日本の小型EVに特化したベンチャー企業と合弁契約を締結し、EVを新規事業として推進したが、進捗が遅いと判断しピボット、2023年5月以降はAI関連事業展開に乗り出し、グローバルな人的ネットワークを活用し、ハードウエア、コンテンツ、AI利用のゲーム等、AI関連の事業の準備を展開。業績は売上の期ずれにより2024年2月期まで8期連続赤字となったが、来期は大幅な増収、増益が期待される。2025年2月期に黒字転換し、2019年以来のグローバル経営陣の努力が実るかどうか、多様性を持つ経営陣の力量に注目。(本資料は3月4日の英語版の日本語訳に、3月11日の下方修正の内容を加筆したものである。)

来期は、AI開発向けGPUサーバ販売で売上高17.4億円計上へ
 実際に業績のインパクトが急速に出始めたのは9月4日の「新規事業としてAI 開発向けGPUサーバの販売を開始」の開示後である。開示後の2か月強の短期間で、NVIDIA 社製の高性能GPU を搭載したサーバーの販売契約等を4つ、合計18.5億円の売上高に計上される見通しの販売を行った。期ずれによりそれらのうち17.4億円は2025年2月期の売上に寄与すると予想される。また、1月15日には、取扱高45億円の販売について開示を行った。9月からわずか5か月でAI 開発向けGPU サーバで、合計で60億円規模の販売契約を開示するスピードは非常に注目される。これらの売上は、計上手続きの事情により2024年2月期の業績には反映されないが、2026年2月期において売上高で見て100億円、200億円という数字を達成しても違和感のないスピードである。

2025年4月のターゲット時価総額は510億円~1,271億円
 AI開発向けGPUサーバに加え、ARM ベースのエッジ・サービス・ハードウェアを利用し、AI、エッジコンピューティング、クラウドストレージ、クラウドゲーミング、デジタルツイン事業を展開予定。5か月で60億円規模の販売契約を締結する能力で順調に事業が拡大したと仮定。仮に2026年2月期に売上高200億円となった時の株主価値、時期的に2025年4月ごろの時価総額のターゲット額を試算した。AI関連上場26社の75分位から50分位の当期利益売上高比率、PSR、PERから1,271億円~510億円、完全希薄化ベースの株価換算で6,282円~2,521円と推計された。3/1終値ベースで比較すると14.2倍~5.7倍と推計された。GCC経営システム™の根幹である売上高、ROIC、WACCの3要素の10年予想から1,271億円を達成する条件を推計すると、2034年2月期において、売上高4,394億円、営業利益382億円、2026年2月期からのCAGRは47.1%となった。これらの達成にはなおリスクがある。失敗するかもしれない。ただ一つだけ確かなことがある。すでに大規模な投資QSに対して行ったグローバルな投資家(付録4参照)はおそらくQSが成功し続けるまでQSの事業転換(ピボット)を支援し続けるということである。そして、今回の取り組みは開示実績を見る限り支援が実る確率が高いと言える。

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