2024.04.28

ネーミングライツは応募ゼロ、利用日数激減で「すぐ破産する?」…「札幌ドーム」批判の「誤解」を解く

「札幌ドーム叩き」のほとんどが「的外れ」といえるワケ…「薄い人工芝」「傾斜が急すぎる観客席」が批判されてきたが「そもそも野球のために作られた施設ではない」』より続く…

すぐに破産する?

ネットを中心に苛烈な札幌ドーム叩きが続いている。代表的なものをあげれば「再三の日ハムの値下げの要望を無視した挙句に、値上げした」など、感情的ともいえる意見が散見される。だがそうした批判の「多くは誤解」だと、札幌市議の成田ゆうき氏は指摘する。ここまで、使用料金や指定管理者制度などをめぐる誤解を解いてきたが、思い込みによる批判は他にもあるという。

日ハムは札幌ドームを離れ、2023年1月にエスコンフィールドに拠点を移した。日ハムが抜けた穴は大きく、札幌ドームの昨年度の赤字額は3憶とも4億ともいわれる。苦慮に立たされる札幌ドームに対し、投げかけられているのが「すぐに破産する」「血税が使われる」といった批判の声だ。

しかしこれも実態に即していないと、成田氏は指摘する。

公式HPより
 

「財務諸表に一切目を通さず、単年度の赤字のみを見て経営を語っている人があまりにも多すぎると思います。第25期(令和4年4月1日~令和5年3月31日)の決算書類を見れば、明らかですが、現状札幌ドーム株式会社には約22億円の利益剰余金(内部留保)があります。仮に赤字を4億円と仮定し、これが改善されず何の援助も受けなかったとしても、5年は生き延びることができる。十分なキャッシュがあり、すぐさま税金が投入されるような経営体質でもありません」

見落とされがちなことだが、札幌ドームは第三セクターが運営する施設としては比較的良好な経営を維持してきた。

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