日産、西川社長に不正報酬問題で辞任求めない方向で調整=関係筋

日産、西川社長に不正報酬問題で辞任を求めない方向で調整=関係筋
 9月6日、西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が社内規定に違反して不正に上乗せした株価連動型報酬を受領していた問題で、日産が西川社長に辞任を求めない方向で調整していることが分かった。写真は第一四半期の決算を発表する西川社長(2019年 ロイター/Issei Kato)
[東京 6日 ロイター] - 日産自動車<7201.T>の西川広人社長兼最高経営責任者(CEO)が社内規定に違反して不正に上乗せされた株価連動型報酬を受領していた問題で、同社が西川社長に辞任を求めない方向で調整していることが分かった。9日に開く取締役会で正式に判断される予定だが、本人に不正の意図がなく、違法性がないことなどから留任させる方向だ。複数の関係筋が明らかにした。
西川社長の不正報酬受領問題は、前会長のカルロス・ゴーン被告の側近だった前代表取締役のグレッグ・ケリー被告が、今年6月発売の月刊誌「文藝春秋」に掲載されたインタビューで指摘。株価に連動した報酬を受け取る権利「ストック・アプリシエーション・ライト(SAR)」の報酬額が決まる行使日を変更し、当初より4700万円多く受け取っていたとの疑惑が報じられていた。
西川社長は5日、記者団に対し、不正に多く受け取ったことを認めたうえで、不正に得た報酬分を全額返還する意向を示したが、行使日変更の指示については否定。担当していたケリー被告に手続きを一任していたため、不正の認識はなかったと釈明していた。
不正報酬受領については、日産の監査委員会で報告された社内調査の結果で判明した。SARによる報酬制度は、会社法違反(特別背任)などの罪で起訴されたゴーン被告がトップだった旧体制から続く仕組みで、関係者らは「不正の意図がない西川社長を責めるのは酷だ」と話している。
*内容を追加しました。

白木真紀 編集:山川薫

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