楽天銀行、4月にも上場へ 楽天Gが保有株売り出し=関係者

楽天銀行、4月にも上場へ 楽天Gが保有株売り出し=関係者
 3月22日、楽天グループ傘下の楽天銀行が、4月中にも東京証券取引所に上場することが分かった。写真は都内で2019年5月撮影(2023年 ロイター/Sam Nussey )
浦中美穂
[東京 22日 ロイター] - 楽天グループ傘下の楽天銀行が、4月中にも東京証券取引所に上場することが分かった。米銀の相次ぐ破綻などで金融市場が不安定なことから相場環境などを見極めていたが、十分な需要があると判断した。携帯電話事業の赤字で財務が傷んでいる楽天Gは保有株の売り出しで資金を確保する。
事情に詳しい関係者2人が明らかにした。きょうにも東証が承認する。
関係者2人によると、楽天Gによる保有株式の売却に加えて、楽天銀行は新株も発行する。規模は合わせて1000億円程度。関係者の1人によると、時価総額は3000億円程度を想定している。
楽天Gは国内の電子商取引事業と金融事業が好調な一方、契約者拡大や通信網整備で携帯電話事業の投資がかさみ、4期連続で連結最終赤字を計上している。2022年12月期は過去最大となる3728億円の最終赤字だった。
格付投資情報センター(R&I)が今月、「大幅なキャッシュの流出が続いている」として楽天Gの発行体格付けを「トリプルBプラス」へ格下げするなど、財務基盤改善の必要性が指摘されている。
楽天Gと楽天銀行からコメントは得られていない。東証の広報は「個別銘柄に関してのコメントはない」としている。
楽天銀行はインターネット銀行として口座数が最多。成長に向けて財務戦略を多様化するため、昨年7月に東証に上場を申請していた。上場時期を固めつつあったところでシリコンバレー銀行など米銀が破綻、さらにスイス金融大手クレディ・スイスの経営不安が広がり、世界的に銀行株が売られた。
東証銀行業株価指数も3月初めから20日までに13.6%下落しており、関係者2人によると、上場時期を決めるタイミングを当初の予定より遅らせるなどし、相場環境や投資家の動向を見極めていた。
(浦中美穂 編集:久保信博、石田仁志)

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