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「密約」はトウモロコシ購入? 鈴木宣弘・東京大教授が警告 「日米貿易交渉は失うことばかり」

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鈴木宣弘・東京大教授=2019年9月6日、藤井太郎撮影
鈴木宣弘・東京大教授=2019年9月6日、藤井太郎撮影

 これが安倍晋三首相が強調する日米関係の「ウィンウィンの形」なのか。日米貿易交渉は9月下旬にも安倍首相とトランプ米大統領との間で署名される見通しだ。しかし、鈴木宣弘・東京大教授(農業経済学)は「米国は約束したことさえ守らないのに、日本は失うことばかりです」と警告する。【石塚孝志】

協定締結はWTO違反の疑いも

 米国の「勝利」は、トランプ大統領の言動でうかがえる。主要7カ国首脳会議(G7サミット)が開かれたフランスで8月25日、急きょ開かれた安倍首相との記者会見では機嫌良くこう述べた。「中国がすると言っていたことをしていないからだ。安倍首相が代表する日本が、そのトウモロコシを全て購入する」

 その概略というのは、日米貿易交渉の別枠で、日本は米国産の飼料用トウモロコシの年間輸入量の3カ月分に当たる約270万トンを購入する――というものだ。トランプ大統領はその「果実」に満足している姿勢を示したのだ。

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