IHI、米国のターボ工場に40億円投資 能力7.5倍に
IHIは28日、米イリノイ州にある自動車用ターボ(過給機)の工場で能力増強すると発表した。年産能力を2021年度に7.5倍の150万台に増やす。投資額は約40億円。自動車の燃費性能を高めるため、小型化してターボで馬力を補う「ダウンサイジングエンジン」需要が中型乗用車などで拡大しており、供給能力を引き上げる。
工場の隣接地の土地を購入し増築した。延べ床面積は約3倍の3万4200平方メートルとなる。ターボを組み立て、日本や現地の自動車メーカーに供給する。建屋や組み立て設備を導入済みで、20年12月に量産に入る。
IHIのターボの世界シェアは約2割。米ハネウェルやボルグワーナー、三菱重工業などと競合する。米のほか日本、ドイツ、イタリア、タイ、中国で工場を展開している。世界的な環境規制を背景に、日本や欧州の自動車メーカーを中心に電気自動車だけでなく、代替手法としてターボを活用する新車が増えている。