しまむら、2割減 19年3~5月営業利益 夏物衣料が不振
カジュアル衣料大手、しまむらの2019年3~5月期の連結業績は、営業利益が前年同期比2割減の55億円前後になったようだ。天候不順で気温が上がらず、夏物の衣料品が振るわなかったほか、在庫が積み上がっていた冬物衣料の値引き販売を増やしたことも響いた。改元に伴う大型連休の集客効果も限定的だった。
営業収入を含む売上高は前年同期比2%減の1350億円程度になったもよう。不振が目立ったのがTシャツなどの夏物商品だ。4月に気温が上がらず、昨年に好調だった夏物商品が低迷した。プライベートブランド(PB)商品は主力の「クロッシー」の一部が好調だったが、在庫抑制で売り場への投入量を減らしたことも減収要因となった。
売上高の8割を占める「ファッションセンターしまむら」の3~5月の既存店売上高が前年同期に比べて5.1%減った。新規店舗を含む全店ベースでは3.8%の減収。セールの抑制で客単価は0.2%低下にとどまったが、客数は3.6%減少した。
改元に伴う10連休の効果も限られた。店ではなくインターネット通販で服を買う人が増える構造的な要因も影響した。
減収に加え、3~4月に冬物の在庫処分に伴う値引き販売を増やしたことで営業利益は前年同期比17億円ほど減ったようだ。粗利率は前年同期(33%)を下回ったもよう。正社員の基本給を引き上げたほか、一部地域で人手不足によるアルバイトやパート従業員の採用コストが重荷となっている。
3~5月期の決算発表は24日を予定している。通期計画に対する営業利益の進捗率は2割弱で20年2月期の業績予想は据え置く公算が大きい。通期の営業収益を含む連結売上高は前期比3%増の5640億円、純利益は47%増の234億円を見込んでいる。
今後は利幅の厚いPB商品の拡販や値引きによる販売促進を減らして、利益率の改善を進める方針だ。ファッションセンターしまむらでは5月の客単価が前年同月比で上昇するなど採算改善の成果が出始めている。
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