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中国株投資で好成績の韓国ファンド、日本株ブームに注目-軸足移す

  • マイダスアセット資産運用、日本の消費関連株とハイテク株に投資
  • 中国株保有を削減、景気回復に時間がかかる

中国株投資が奏功し過去5年間の運用成績が同業者の99%を上回ったアジアのファンドマネジャーがここにきて、隣国日本に関心を移している。

  韓国のマイダスアセット資産運用の「アジア・リーダーズ・グロース・ファンド」の共同マネジャー、ジュリア・ユー氏は、日本の経済再開や個人消費増加に支えられている企業とテクノロジー企業に賭けていることを明らかにした。日本の賃金上昇は消費を押し上げる公算が大きく、円安は外国人旅行者の増加につながる可能性があると述べた。

  同ファンドは今年早くまでは中国に強気だったが、個人消費の不振や政策支援の不足で中国の景気回復には予想より長い時間がかかると指摘した。

  ユー氏はインタビューで、「人々は旅行しているがお金を使っていない」と指摘。「中国は今年これまでのところ当ファンドに助けになっていない」と語った。同ファンドの運用資産は1億1100万ドル(約160億円)。

Japan Stocks Outperform CSI 300 By Most Since 2007
 
 

  同ファンドのポートフォリオに占める中国の割合は5月末時点で19%で、2022年末の28%から低下。これに対し、日本の割合は5カ月間で40%から45%に増えた。

  アパレルの李寧や酒類メーカーの貴州茅台酒といった中国株の上昇は、過去5年間の同ファンドの年率9.2%のリターンに寄与した。ブルームバーグの集計データでは同種のファンドのリターンは2.2%だった。同ファンドは今年も引き続き競合ファンドをアウトパフォームしているが、今年の早い時期まで中国株を多く保有していたことが響き、同種のファンドの56%しか上回っていない。

  ユー氏は「中国リスクをコントロールすべき時期だ」と述べ、中国市場への大きな関与を理由に資生堂の保有も減らしていると付け加えた。

  日本については、個人消費の増加がオリエンタルランドなど経済再開関連銘柄を押し上げる可能性があり、中国の良い代替投資先になり得ると指摘。海外の中央銀行の多くが依然として利上げを続ける中でも、日本銀行が緩和政策を当面維持する見通しも日本株を支えており、円安による輸出業者の収益拡大も追い風だとした。

  米中間の緊張を受けた世界のサプライチェーンの再編で企業が調達先の分散を図ることから、パナソニックホールディングスや半導体製造装置メーカーなどの日本企業には恩恵があると分析。人工知能(AI)関連株のラリーは、日本株市場を支えており、好循環を生み出していると付け加えた。

  マイダスはファーストリテーリングやアシックスなど日本の消費者製品企業に特に強気で、欧米での新たな成長の可能性を見込んでいる。また、パナソニックやアドバンテストなどのテクノロジー企業のエクスポージャーも年前半に増やしたほか、キーエンスやファナックなども有望銘柄だとした。

原題:Top Fund That Gained on China Shares Turns Bets to Booming Japan(抜粋)

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