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2023/07/03 東証 上場廃止等の決定:(株)ディー・ディー・エス

 

以下のとおり、上場廃止を決定し、整理銘柄に指定することにしましたので、お知らせします。
※本件は、日本取引所自主規制法人の審査結果に基づき決定したものです。

1.上場廃止及び整理銘柄指定

(1)銘柄 株式会社ディー・ディー・エス 株式
(コード:3782、市場区分:グロース市場)
(2)整理銘柄指定期間 2023年7月3日(月)から2023年8月3日(木)まで
(3)上場廃止日 2023年8月4日(金)
(注)速やかに上場廃止すべき事情が発生した場合は、上記整理銘柄指定期間及び上場廃止日を変更することがあります。
(4)条文 有価証券上場規程第601条第1項第9号b
(内部管理体制確認書の提出前で、内部管理体制等について改善の見込みがなくなったと当取引所が認める場合に該当するため)
(5)理由 株式会社ディー・ディー・エス(以下「同社」という。)は、2022年8月8日に同社における不適切な会計処理に関する第三者委員会の調査報告書を、同年8月12日に過年度の決算内容の訂正を、また同年9月2日に過年度の決算内容の再訂正をそれぞれ開示しました。
これらにより、同社では、元代表取締役会長の主導等による不適切な会計処理が判明したことから、同社の内部管理体制等について改善の必要性が高いと認められたため、2022年9月29日付で、当取引所は同社株式を特設注意市場銘柄に指定しました。

また、同社は、2023年5月15日に、2022年9月2日に提出した有価証券報告書等の訂正報告書に記載した提出理由等を訂正する訂正報告書(以下「再々訂正報告書」という。)を提出しました。この再々訂正報告書により、同社が2022年8月12日に提出した有価証券報告書等の訂正報告書及び2022年12月期第1四半期に係る四半期報告書(以下これらを総称して「報告書等」という。)について、虚偽の表示があるリスクが相応に高いことを認識していながら報告書等を提出した等の行為(以下「一連の行為」という。)が判明しました。また、同社が策定した「改善計画・状況報告書」(2023年2月28日公表。以下「改善計画」という。)においては、一連の行為に何らの言及・評価もしていないこと等が認められました。以上により、2023年5月15日付で、当取引所は同社株式を監理銘柄(審査中)に指定しました。

(内部管理体制等の改善状況)
今般、再々訂正報告書の内容や改善計画の進捗状況等について、同社が日本取引所自主規制法人に回答した内容等に基づき、内部管理体制等の改善状況について審査した結果、以下の状況等が認められました。
・ 改善計画の実行の前提となる社内規程の整備の遅延をはじめ、改善計画の進捗に大きな遅延が生じていること。また、当該遅延を解消するための対応について取締役会での十分な議論が行われている状況が認められないほか、体制強化などの対応方針も示されていないこと
・ 取締役会等における十分な議論・検証を行うことを改善計画に掲げる中にあって、取締役会等において、一連の行為に関して上場の継続に関わる重大な事案と認識することや、十分な議論が行われている状況が認められないこと
・ 従業員が社内規程の閲覧方法すら把握していない部署が複数存在し、先に述べた社内規程の整備の遅延と相まって、改善計画で謳うコンプライアンス・ガバナンスを最重視する企業風土の醸成には、なお相当の時間を要すると認められること
・ 同社は、改善計画において、2023年2月末までに同社の社内委員会であるコンプライアンス・マネージメント委員会のフローを整備するとしていたにもかかわらず、当該整備を怠り、同委員会の従前からの形骸化を改善するに至らず、一連の行為についてコンプライアンス上の問題であると認識することもできず、再々訂正報告書の提出に長期間を要したこと

(改善の見込み)
特設注意市場銘柄への指定から1年を経過していないものの、監理銘柄(審査中)指定及び以下の状況等を鑑み、改善の見込みについて検討した結果、同社の内部管理体制等について、改善の見込みがなくなったと認められました。
・ 改善計画は、一連の行為に対して何らの言及・評価もなく、その再発防止のための検討が行われていないこと。また、一連の行為の判明後も、改善計画の見直しに不可欠な事実関係等の究明や原因などに関する客観的な検証に着手する方針さえ示されていないこと
・ 同社が日本取引所自主規制法人に回答した、再々訂正報告書の提出を踏まえた再発防止策は、いずれも一連の行為に関する客観的な検証を経て策定されたものではなく、再発防止策として機能する合理的な裏付けを欠いたものであると認められること
・ 同社は、内部管理体制等に関する問題の所在に関する理解を著しく欠く結果、改善を要する個別・具体的項目等について、審査過程で指摘を受けてはじめて改善の必要性を認識する状況が継続しており、改善計画の実行遅延、不履行等を十分に補うと評価するに足る対応が講じられていないこと。加えて、一連の行為に及んだ代表取締役社長等の経営責任の明確化や実効的な再発防止策が講じられておらず、代表取締役社長等が引き続き改善計画を主導することを表明していること

(結論)
以上を総合的に勘案すると、改善計画の相当部分に重大な不備が存在し内部管理体制等の改善状況に重大な問題があると認められることに加え、特設注意市場銘柄の指定を継続したとしても、その改善期間において、内部管理体制等の改善が達成される実効的かつ合理的な計画が存在しないと認められることから、同社の内部管理体制等について、現に改善の見込みがなくなったと認め、同社株式の上場廃止を決定し、整理銘柄に指定することにしました。

2. 代用有価証券の取扱いについて

同社株式は、2023年7月4日(火)以降、次の各代用有価証券から除外されます。
・信用取引及び発行日決済取引の委託保証金
・発行日決済取引の売買証拠金
・取引参加者保証金
・信認金

  • 上記銘柄については、上場廃止等を決定したことに伴い、特設注意市場銘柄の指定を取り消すこととい たしました。
監理・整理銘柄指定状況
監理・整理銘柄指定履歴

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株式会社東京証券取引所 上場部 開示業務室 ディスクロージャー企画グループ
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