【トヨタ傘下】国内普通トラック大手。トヨタ向けに受託生産も。
【マラネロ(イタリア北部)=深尾幸生】独フォルクスワーゲン(VW)と日野自動車は17日、電動トラックや電動技術を共有すると発表した。それぞれが開発した電動トラックを相互に供給するほか、開発成果を互いに活用できるようにする。また、2019年後半に部品調達などの合弁会社を設立する。電動化など新技術への対応で増える開発・生産コストを抑える。
VWが設立したトラック・バス部門の新会社トレイトン・グループと日野が合意した。両社は4月、包括提携に向け協議に入ることで合意していた。今回の発表はその第1弾となる。
電動化では、日野が世界一の販売実績を持つハイブリッドトラックをトレイトン傘下の独MANやスカニア(スウェーデン)などに供給するとみられる。日野は中小型、トレイトンは大型トラックの電動化技術をそれぞれ提供する見通しだ。
調達分野の合弁会社は「両社平等の権利」を持つという。既存の部品のほか、電動化や自動運転など将来の技術に関する部品の世界規模での調達で相乗効果を目指す。
トレイトンのアンドレアス・レンシュラー社長は声明で「輸送領域における変化は激しい。両社は自ら輸送のあり方を変えていく。今回の協力は始まりにすぎない」と述べた。日野の下義生社長は「4月の合意以降、話し合いを重ねてきた。具体的な進捗があったことをうれしく思う」とコメントした。
VWはトラック分野では約17%を出資する米商用車大手ナビスター・インターナショナルの買収も検討している。トレイトンの上場で得られる資金を充てる可能性もある。日野やナビスターとの関係を深め、地域や技術を補完し合いながらトラック世界首位の独ダイムラーやボルボ(スウェーデン)などに対抗する。
春割ですべての記事が読み放題
有料会員が2カ月無料!