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ブラックロックからブレンハイムまで、誰もが銅価格に強気な理由

  • 投資不足が今後数年に向け強力な状況作り上げる-ブラックロック
  • 中国当局の景気を刺激し守る対策が短期的に銅を支援-ブレンハイム

今週ロンドンに集結している金属市場関係者には共通点がある。誰もが銅価格に強気とみられるということだ。

  8日開幕のロンドン金属取引所(LME)主催の「年次LMEウィーク」会合に先立ち、コモディティーに重点を置くヘッジファンドや商社、生産者、銀行、ブローカーなど10社余りの銅の短期見通しはほぼ強気で一致した。金属の専門家らは、経済を巡る大局的な懸念と、急速な引き締まりをみせる現物市場との非関連性を一貫して取り挙げた。

  銅はここ数カ月厳しい状況が続いている。世界貿易戦争に伴う経済成長への影響を巡る懸念などから8月に弱気相場入りし、その後も回復の勢いは鈍い。ただ、中国向けのスポット販売は旺盛で、銅供給大手2社の幹部らは、ここ数年見られない水準に達しており、取引所の在庫は急激に減少していると語った。

China Roars

Premiums have surged in China while global inventories have plunged

Source: SMM, LME, Comex, SHFE

  著名ファンドのレッド・カイト共同創業者で、同社を退職し今年ドレイクウッド・キャピタル・マネジメントを設立した業界のベテラン、デービッド・リリー氏は、銅相場は「急上昇」する可能性を秘めていると指摘。「過去3カ月に銅を売った誰もが買い戻しを望んだとしても、誰がそれに応じるのか私には分からない」と語った。

  中国では、価格下落と信用条件緩和で銅の現物需要が押し上げられるとともに、景気刺激策が抑制されていた需要の掘り起こしにつながっている。

  米投資会社ブラックロックで「ワールド・マイニング・ファンド」を運用するイビー・ハンブロ氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、新たな鉱山供給に対する投資不足が「今後数年に向けて極めて強力な状況を作り上げる」と語った。

  商品ヘッジファンドのブレンハイム・キャピタル・マネジメントのシニアアナリスト、イングリッド・スターンビー氏は、中国景気を刺激し守ろうとする当局の取り組みが短期的に銅への強気の賭けをサポートすると指摘。「マクロ経済の逆風が相場上場を抑えるのは明白だが、市場が慢心して、強いマクロシグナルを見逃す重大なリスクがこの環境には存在する」と述べ、「現段階で、中国経済に対して銅の強気のエクスポージャーを取るのは良いことだ」と語った。
           

Wait for It

Goldman sees “severe deficits” for copper from 2023

Source: Goldman Sachs Group Inc.

原題:From Blenheim to BlackRock, Here’s Why Everyone’s Bullish About Copper(抜粋)

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