バリュー株や循環株、景気回復期の勝ち組に-ゴールドマン
Ksenia Galouchko、Francine Lacqua、Matthew Miller-
市場は回復度合いを過小評価-世界経済、今年6.5%成長に向かう
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経済再開トレードが「大きく追い上げる」可能性-ストラテジスト
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米ゴールドマン・サックス・グループでグローバル株式チーフストラテジストを務めるピーター・オッペンハイマー氏は、金融市場は今年の景気回復度合いを過小評価していると指摘し、割安のバリュー株や景気循環株が回復期の主な勝ち組になるとの見方を示した。
オッペンハイマー氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「現在の基調的トレンドは、世界がまさに同時進行の経済成長期に移行していることを明示している」と指摘。景気支援に向けた金融・財政政策や商品相場の上昇を背景に、今年は6.5%の世界経済成長を見込むと付け加えた。その上で「こうした情勢は循環株やバリュー株になお非常に有利で、その状況が一段と進むと考える」と話した。
MSCIワールド・バリュー指数は2月に4.5%上昇。一方でグロース株の指数は0.3%の上昇にとどまった。
オッペンハイマー氏は旅行・レジャーや飲料、銀行、商品の各セクターや輸送インフラなどを投資対象とした経済再開トレードが「大きく追い上げる」可能性があると分析。こうした領域は「いずれも依然として割安と見受けられ」、米英を中心としたワクチン展開加速がけん引する「年央からの力強い成長回復で大きな恩恵を受ける可能性がある」と述べた。さらに、高い貯蓄率は、ロックダウン(都市封鎖)が緩和されるにつれて力強い消費拡大につながるはずだと語った。
オッペンハイマー氏は米国債相場の急落にも言及。利回りの上昇ペースや水準、また上昇の要因を株式投資家は注視するだろうと説明。10年債利回りが1カ月以内に40ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)上昇すれば株式投資リターンがマイナスになる可能性があるとした。ただ、通常であれば金利とインフレ期待の高まりはリセッション(景気後退)とデフレの暗示的なリスクを低下させるため、株式にプラス材料だとの見方を示した。
同氏は「動きが緩やかであれば、バリュー株や循環株はかなりの好成績を挙げられると思う。変動が非常に急速な場合は問題が生じる」と指摘。「だが、成長とインフレに対する信頼感の強まりを反映した名目金利とブレークイーブン・レートの上昇であれば、状況はずっとポジティブだ」と述べた。
原題:Goldman’s Oppenheimer Bets Big on Laggard Stocks Amid Recovery(抜粋)