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SVB投資で多額損失のスウェーデン年金基金、株式責任者を休職に

  • 投資損失で「顧客からの信用著しく損なった」-ビリングCEO
  • 投資プロセスで内部調査を開始、金融監督当局からは召喚状

米国の銀行への投資で約20億ドル(約2650億円)の損失を出したスウェーデン最大の年金基金アレクタは4日、株式責任者を休職扱いとし、自国市場から遠く離れた企業への大規模な投資を縮小する方針を明らかにした。

スウェーデン最大年金基金、2650億円損失-SVBなど米銀3行に投資

  米国の銀行危機では2行が破綻し、3行目が生き残りをかけて苦戦している。その影響を受けたアレクタは、信頼を獲得し顧客の競合ファンドへの乗り換えを防ぎたい考えだ。

  アレクタは過去6年間、シリコンバレー銀行(SVB)の親会社SVBファイナンシャル・グループとシグネチャー・バンク、ファースト・リパブリック・バンクへの投資を重ね、大株主になるまで持ち株を増やした。同基金は破綻したSVBとシグネチャーについては投資回収を一切見込んでおらず、ファースト・リパブリックの持ち株は損失を出して売却した。

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マグヌス・ビリングCEO
Photographer: Evelina Carborn/Alecta

  マグヌス・ビリング最高経営責任者(CEO)は発表文で「米銀での投資損失はアレクタとその株式運用に対する顧客からの信用を著しく損なった」と述べた。

  アレクタの広報担当者によれば、こうした投資を担っていた株式責任者のリセロット・レディン氏が休職扱いになっている。

  1兆2000億スウェーデン・クローナ(約15兆4000億円)の運用資産を持つアレクタにとって今回の投資損失はソルベンシー比率に影響しないが、投資プロセスについて内部調査を開始した。また同国の金融監督当局はアレクタに召喚状を出した。

原題:Alecta’s $2 Billion SVB Loss Sees Stocks Chief Placed on Leave

(抜粋)

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