DMPが産業用AI向け推論モジュール 自動運転に応用
半導体ベンチャーのディジタルメディアプロフェッショナル(DMP)は、デバイス内の電子制御機能を変更できる半導体ICのFPGA(field-programmable gate array)ベース推論処理モジュール(ボード)を開発し、2018年9月18日に販売を開始した。このモジュールを使うことで、FA(ファクトリーオートメーション)・物流における自律ロボット、農機・建機といった産業車両の自動運転、防犯・小売り・発電・医療などでのリアルタイムのデータ解析といった幅広い応用において、処理を末端の機器(エッジ)側で実行するエッジ人工知能(AI)システムを短期間で構築できるとする。
販売を始めたモジュールは、「ZIA C2」と「ZIA C3」の2製品である。大きさは共に90ミリ×90ミリと小型。両製品の主な違いはモジュールに搭載したFPGAにある。ZIA C2は米Intel社の「Arria V SX SoC」(「Arm Cortex-A9」を2個集積)を、ZIA C3は米Xilinx社の「Zynq UltraScale+ ZU6CG」(「Arm Cortex-A53」を2個と「Arm Cortex-R5」を2個集積)を搭載する。どちらの製品も、FPGAファブリックにDMPの推論処理IPコア「ZIA DV700」を実装している。DMPによれば、GPUベースの他社製品と比較して、主要ネットワークのベンチマークにおいて、約6分の1の動作周波数において最大4倍の処理性能を達成したという。
今回のモジュールと、モジュールを挿すキャリアボード、ソフトウエア、ドキュメントなどをセットにした「ZI C2 Development Kit」と「ZI C3 Development Kit」を共に19万8000円(税抜き)で販売する。18年9月18日から予約を受け付けを開始しており、同年11月末から順次出荷を開始する予定である。
(日経 xTECH 小島郁太郎)
[日経 xTECH 2018年9月18日掲載]
関連企業・業界