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トヨタ、21年春に水素システム外販 燃料電池の普及狙い

(更新)
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トヨタ自動車は26日、水素をエネルギー源とする燃料電池システムの外販を2021年春に始めると発表した。20年に発売した新型の燃料電池車(FCV)「ミライ」向けに開発した水素関連部品をシステム化して幅広い利用を見込む。トラックやバスに加えて鉄道や船舶、発電機での燃料電池の利用を増やし、インフラ整備や水素価格の引き下げにつなげる。

トヨタは水素と酸素を化学反応させて発電する「スタック」、電気の出力を変換する「コンバーター」といった部品をシステム化した箱状の水素システムを外販する。購入した事業者はモーターやバッテリーを備える既存製品に簡単に接続できるという。従来は各部品を個別に外販していた。

水素システムの価格や販売目標は明らかにしていない。水素システムは自動車向けに開発したため、温度の変化や振動の激しい状況でも使える安全性を備えるのが特徴だ。定格出力は60キロワットと80キロワットの2種類で、それぞれに縦型と横型を用意しており、計4タイプをそろえた。

トヨタは15年にはFCV関連特許を無償開放している。20年末までを期限としていたが、期限を延長することを決めている。トヨタの前田昌彦CTO(最高技術責任者)は初代ミライの発売を通して「思いのほか(水素システムの)乗用車以外への転用ニーズが多いと分かった」と話している。個々の水素関連部品をシステム化して利用しやすくすることで、中長期の普及が期待される水素エネルギーの利活用を広げる。

トヨタ自動車グループの豊田自動織機も26日、小型の燃料電池システムを開発したと発表した。FCスタックやスタックに酸素を供給する「エアコンプレッサー」などを一体化した。出力は8キロワットで定置式や可搬式発電機での採用を見込む。2年以内をめどに発売する。

今後は24キロワット、50キロワットの製品も開発する。小型モビリティーや建設機械、農業機械などの使用を想定する。グループ一体となり様々な出力の燃料電池システムを用意することで、幅広い用途での水素利用につなげる。

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