NY商品、原油続伸 地政学リスクの高まりで 金は最高値
【NQNニューヨーク=川上純平】3日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)で原油先物相場は4日続伸した。WTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)で期近の5月物は前日比0.28ドル(0.3%)高の1バレル85.43ドルで取引を終えた。一時は86.20ドルと昨年10月下旬以来の高値を付けた。地政学リスクの高まりで原油の供給に悪影響が及ぶとの見方が根強く、原油先物への買いが続いた。
イスラエルがシリアの首都にあるイラン大使館周辺を空爆したことに対し、イランが報復に動くとの懸念が広がっている。中東情勢が一段と緊迫し、周辺地域からの原油供給が滞るとの見方が出ている。ウクライナ情勢の悪化に対する警戒感も強い。
石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国で構成する「OPECプラス」は3日、合同閣僚監視委員会(JMMC)を開き、減産目標を維持すると確認した。減産の継続により需給の逼迫が続くとの観測も原油先物への買いを誘った。
もっとも、原油相場の上値は重かった。買いが続いたことから高値警戒感が意識され、利益確定売りも出やすかった。
ニューヨーク金先物相場は続伸した。ニューヨーク商品取引所(COMEX)で取引の中心である6月物は前日比33.2ドル(1.5%)高の1トロイオンス2315.0ドルで取引を終えた。一時は2316.3ドルに上昇し、連日で最高値を更新した。地政学リスクの高まりに対する懸念から、相対的に安全な資産とされる金の先物に買いが入った。