塩野義、鼻に投与するコロナワクチン研究へ
塩野義製薬は19日、鼻の中に噴霧する新型コロナウイルスのワクチンの研究を始めると発表した。同タイプはウイルスが体に侵入する鼻や喉の粘膜の免疫をつけることで感染の予防を狙う。全身の免疫向上による発症予防も期待できる。臨床試験(治験)を含め実用化に向けたスケジュールは未定。
鼻の中に噴霧するワクチンは、投与の際に注射技術を持つ人材がいらないため、医療環境が整っていない新興国でも使いやすい。東京大学発の創薬スタートアップのHanaVax(ハナバックス、東京・中央)が持つ、薬の有効成分を多糖類を使って粘膜に届ける技術を用いる。
塩野義はハナバックスの技術を用いた新型コロナワクチンの、全世界における独占的な開発・販売権などを取得した。契約に伴う一時金や開発状況などに応じたマイルストンを支払う。
塩野義は、同タイプとは別に2020年12月から筋肉注射で投与する新型コロナワクチンの開発を進めている。最終段階の大規模な治験は、東南アジアなどでの実施を検討している。
国の「条件付き早期承認制度」が適用されれば、年内での実用化も可能とみる。既に生産体制の構築を進めており、年内に提携先の岐阜県の工場で最大年6000万人分の生産体制を整える計画だ。
新型コロナウイルスの感染症法上の分類が2023年5月8日に季節性インフルエンザと同じ「5類」に移行しました。関連ニュースをこちらでまとめてお読みいただけます。
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