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IR誘致、北九州でも浮上 推進協「100年に一度の好機」

 カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の誘致を巡り、北九州市でも議論が進んでいる。市議や経済人がIR推進協議会を立ち上げ、21日、人口減少への起死回生策として市議会の総務財政委員会に誘致推進を陳情した。しかし、同委員会では「候補地が見当たらない」との市の調査結果も示されるなど慎重な意見もあり、市が誘致に乗り出すのかどうか不透明だ。

 「八幡製鉄所設立以来の、百年に一度のチャンス」。誘致に取り組む経済人は、見込まれる大型開発や税収増に期待する。5月に設置された協議会事務局次長の井上秀作市議(自民)も「若年者の雇用や税収増など、効果は幅広い。高齢化や人口減を一気に打開できる」と強調する。

 北九州は24時間空港と新幹線駅があり、交通の利便性が高い。北橋健治市長も4月の定例記者会見で「勉強開始」を宣言、「有力な候補地」と述べていたのが空港島(小倉南区)だった。土砂処分場があり、将来的に75ヘクタールに及ぶ空きスペースが見込める。空港は九州の東側に位置することから、「利用者が増えれば東九州新幹線導入にもつながる」と誘致派の夢は膨らむ。

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 とはいえ、北橋市長が必ずしも前向きというわけではない。「勉強中」「ニュートラル」という姿勢は崩していない。

 市は誘致可能性を探る調査に乗り出し、7月に海外の主要IR事業者8社にヒアリングを呼び掛け、3社がこれに応じたが、結果は「ニーズに合う候補地が見当たらない」との厳しい内容だった。空港島はリゾート感などの観点から事業者は否定的だった。先行する長崎県を意識して、オール九州体制構築などの地元機運の醸成という注文もついたという。

 早ければ来年中にも立地区域が決まるとみられる中、大阪府・市や長崎県など誘致に意欲を見せる他の自治体は北九州市より長い準備を重ねた蓄積があり、出遅れ感は否めない。

 ギャンブル依存症や青少年への悪影響を心配する声もあり、賛否が割れるテーマでもあるだけに市民の理解取り付けも欠かせない。残された時間に比べ、道のりは険しいのが実情だ。北九州商工会議所の幹部も「残り時間は少なく、行政の態度もはっきりしない」と懐疑的だ。

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