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 建設技術者の派遣最大手の夢真(東京・港)を傘下に持つオープンアップグループは、技術者派遣のUTコンストラクション(東京・品川)を買収する。これにより、子会社を含む同グループが抱える建設派遣技術者は7000人を超える。オープンアップグループが2023年11月27日に明らかにした。

建設系大手派遣会社に在籍する建設技術者の数。共同エンジニアリングは2022年12月時点、他は23年9月時点の人数(出所:オープンアップグループ、テクノプロ・ホールディングス、コプロ・ホールディングスの資料と、取材を基に日経クロステックが作成)
建設系大手派遣会社に在籍する建設技術者の数。共同エンジニアリングは2022年12月時点、他は23年9月時点の人数(出所:オープンアップグループ、テクノプロ・ホールディングス、コプロ・ホールディングスの資料と、取材を基に日経クロステックが作成)
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 未経験者の派遣に特化した夢真とUTコンストラクションのシナジー(相乗効果)を発揮し、派遣需要の高まりに応える。2025年国際博覧会(大阪・関西万博)の関連工事をはじめ、全国的に建設技術者の不足感は強い。24年度から建設業への残業の上限規制が適用されるなど、人材不足が一層、深刻になると見込まれる。

 オープンアップグループがUTコンストラクションの全株式を親会社のUTグループから取得する。取得額は非公表。UTコンストラクションは売上高が約52億6000万円(23年3月期)で、約1000人の建設技術者を擁する。

 UTコンストラクションは土木とプラント分野が得意な一方で、夢真は建築分野に強い。UTコンストラクションの子会社化により、夢真がカバーできていなかった分野を補う。

夢真の本社が入る東京虎ノ門グローバルスクエア(写真:日経クロステック)
夢真の本社が入る東京虎ノ門グローバルスクエア(写真:日経クロステック)
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 夢真とUTコンストラクションは、未経験者の採用と教育に力を入れる点が共通する。両社を同じグループ会社とすることで、教育体制の拡充が見込める。

 UTコンストラクションが抱える派遣技術者の大部分は、夢真と同様に建設業の未経験者で、その教育体制には定評がある。例えば、派遣先での社員化を前提とした2年以上の長期派遣サービス。派遣社員が資格取得など継続的にスキルを磨けるようにしたことが奏功し、ここ数年は毎年100人前後の技術者が派遣先に転職している。

UTコンストラクションの本社が入る電波ビル(写真:日経クロステック)
UTコンストラクションの本社が入る電波ビル(写真:日経クロステック)
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